私の声、メゾ・ソプラノという声は、女声の高い声ソプラノと低い声アルトの間の声です。オペラの役でお話しますと、美しく可憐な役はソプラノにお任せしまして、メゾ・ソプラノは侍女役、母親・お婆さん役、主役の姫をいじめる公妃や魔女役、そして時には男役にも!・・・等と、花形という役は少ないかもしれません。しかし、情熱的な女性(その代表的な例が「カルメン」ですね。)美しい男性を誘惑する妖艶な女性、嫉妬に苦しむ女性、等と、メゾ・ソプラノの役には、女性の本性(?!)を表現するものが多くあります。
その要求に応えるのが私の役目であり、得意とするところでもあります。
このように激しく感情をぶつける西洋音楽を演奏するのと同時に、美しい日本歌曲を大切なレパートリーとして歌っています。
宗教音楽を多くやらせて頂いたことが、日本歌曲を歌う心に結びついたと思います。
日本歌曲を歌うにあたりましては、日本語の美しさと、日本の心を大切に歌うことを身上にしております。
私の歌は、深い音色の声と豊かな音楽性が結びつくと言って頂いております。
又、母親の胎内に宿る子供たちへのセラピー的な効果が高いものとも言われております。
私自身、このことを特性として、心ある歌をお伝えしたいと考えております。
私は人と出会うこと、人と話すこと・・・・・等、とにかく「人」が大好きです。
声を出すことは健康的にとても良いことですから一緒に歌い、また各地の歌や自然を感じたいと思います。
昨年、児童館で演奏会をした時、プログラムに悩みました。
難しいオペラアリア歌っても・・・いきなり大きな声を張り上げたら・・・等と。
そこで童謡や唱歌を探し出して、改めて大きな感動をしました。
それは日本の詩(言葉)の素晴らしさです!例えば「たきび」という曲には「落葉焚き」と出てきますが、何と情緒ある言葉でしょう!
「雪」という曲には「山も野原もワタボウシかぶり かれ木残らず花が咲く」とありますが、思わず微笑んでしまう比喩。
幼い頃、雲を見て「ゾウさんみたい」「おサカナさんみたい」と言ったことを思い出します。
最近では童謡や唱歌が歌われることが少なくなり、音楽の教科書からも少なくなってきています。
しかし、日本語の素晴らしさや日本人ならではの情緒がたくさん折り込まれているものと思います。
このような曲を一緒に歌うことはもちろん、想像力を養って頂けるように、こちらが何か投げかけて答えてもらう・・・
皆さんから投げかけて頂いてこちらが答える・・・このような場面をもてることが、心から願うことです。
年に数回、障害者の方々と、その介護をなさっている方々のための演奏会や施設を訪問していますが、障害者の方々はうれしいと歌を出したりします!
介護をなさっている方々は、自分のことは二の次で愛情を注いでいらしゃいます。
そのような方々に、少しでもホッとして頂ける時間をもって頂けたら・・・と思います。
クラシック歌手としまして、西洋音楽の美しさもお伝えしたいと思います。
理解してもらいたい、わかってもらいたい・・・!ではなく、耳にした方々が、「何か私、この歌が好き」「何か心に響く曲だわ」でいいのです。
実際の原語訳と違うところで感じてくださってもいいのです。
「音楽」の素晴らしさ、美しさは、何か想像を生み、自分の中の何かを活性化させてくれると私は思います。 ---------- 菅家奈津子